ミュージック・フロム・でかぴんく

大日本カルト共和国衰退の歴史。

右眼の視えない祖母

「橋本さん。私の父方の祖母は在日朝鮮人なんですよ。もともとは秋田に住んでいましたが、早いうちに両親を亡くし、そのあとは二人の姉と一緒に秋田を出て四日市に移り住みました。姉二人は工業地帯付近の繁華街で水商売をやっていましたが、祖母は新造のデ…

オタクはどこから来たのか 1〜大衆文化とまなざしの不在〜

ポピュリズムと大衆 少し唐突だが、私たちの生きる現代において、「大衆」という言葉は様々な意味で用いられる。 私が「大衆」という言葉を意識し始めたのは、2019年頃からだろうか。「大衆」というからには、それは独りでにやってくるものではない。 2019年…

瀧に三葉に青葉に佐倉 『君の名は』?名付けと呪いの倫理学

ゲボドラマ 一昨年の冬、あるドラマが狂ったように流行っていたのを覚えているだろうか。 『silent』Official髭男dismの主題歌とともに爆売れした大ヒットドラマだ。 中心となるのは、主人公の女性と、元恋人、現恋人の幼なじみの間の三角関係だ。順調だった…

漫才論Ⅱ 「誰も傷つけない笑い」の矛盾

漫才再考 2023年のM-1グランプリが終わってしばらく経ったが、やはり私は漫才について書くことを我慢できない。 このブログでは、以前にも「ヘイト漫才」の炎上を題材として、「漫才とはなにか」という問いを考えてみた。その記事では、漫才を「倫理」という…

『未成年』とは何者か 〜近代国家ニッポンを貫く性と幻想〜

「ハライチ岩井この野郎!」 最近インターネットを騒がせた話題のひとつに、ハライチ岩井の結婚報道がある。このような殺伐とした時代に生きながら、芸能人の結婚で盛り上がれるのは様々な意味でおめでたくていいのだが、世間の関心はもっぱらお相手の女性タ…

ヘイト漫才は漫才か。 M-1から考える「笑い」の社会性

ヘイト漫才 毎年この時期になると、M-1グランプリに向けた期待の高まりに伴って、予選のニュースがじわじわと話題にのぼり始める。 今年は、女子小学生コンビの「ラブリースマイリーベイビー」や、なかやまきんに君とケイン・コスギの「パーフェクトパワー…